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ITインフラにおいて、OS(オペレーティングシステム)はサーバー構成の最も基本的かつ重要な要素の一つです。
PreSales(プリセールス)エンジニアとしては、単なる「Windows or Linux」の話にとどまらず、提案の要件整理・製品選定・運用設計にまで関わる視点が求められます。
本記事では、サーバーOSを扱う上での基本と、PreSalesにとって押さえておくべきポイントを解説します。
OSとは何か?その基本機能と役割
OS(Operating System)は、ハードウェアとアプリケーションの間に立って、リソースを制御・管理するソフトウェアです。
代表的な機能は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
プロセス管理 | 実行中のプログラムを制御し、リソースを割り当て |
メモリ管理 | 使用可能なメモリ領域を監視・配分 |
デバイス管理 | ストレージ、ネットワーク、周辺機器などとのやり取り |
ファイルシステム管理 | データを階層構造で保管し、読み書きを可能にする |
ユーザー管理 | ユーザー認証や権限の制御を担う |
つまり、OSはサーバーにおける「司令塔」であり、「土台」とも言える存在です。
サーバーOSとクライアントOSの違い
比較項目 | サーバーOS | クライアントOS |
---|---|---|
主な用途 | システム提供・バックエンド処理 | エンドユーザーの操作端末 |
同時接続数 | 多数の接続を前提とする | 少人数の操作を想定 |
サービス | AD、Web、DB、ファイルサーバー等 | GUI操作やアプリ実行が中心 |
セキュリティ | 高度なアクセス制御が可能 | 利便性重視 |
サーバーOSは「サービスを提供する側」であり、常時稼働・安定性・多ユーザー対応が前提となります。
PreSalesがOSに注目すべき理由
プリセールスがサーバーOSに注目すべきなのは、単にインストールするソフトではなく、提案全体の品質とTCOに大きく関わる要素だからです。
1. 要件ヒアリングでの適合性確認
- ADが必要ならWindows Server
- OSSミドルウェア重視ならUbuntuやRHEL
- Oracle DB前提ならRHELベースが安全
2. サポートとライフサイクルの確認
- 長期利用におけるサポート年数
- パッチやアップグレード対応の可否
- 商用サポートの有無(Ubuntu Pro, Red Hat Subscriptionなど)
3. ライセンスとコスト設計
- Windows ServerのCAL設計
- RHELの物理/仮想/サブスクリプション体系
- 無償ディストリビューションのリスク
4. 仮想化やクラウドとの整合性
- vSphereやHyper-Vとの親和性
- AWSやAzureにおけるOSイメージの可用性
- ライセンス持ち込み(BYOL)の可否
今後のシリーズ内容
次回以降では、各主要OS(Windows Server / RHEL / Ubuntu)について深掘りしつつ、以下のような観点から提案に活かせる知識を解説していきます。
- 「RHELとUbuntuの違いは?」
- 「Windows ServerはStandardとDatacenterどっち?」
- 「OSS系OSは本番環境でも安心?」
- 「クラウドでOSを選ぶときに見るべきポイントは?」
まとめ:OSは“技術的土台”であり“提案戦略”の起点
PreSalesにとって、OSの知識は製品選定の基本であると同時に、コスト・セキュリティ・運用負荷などを左右する提案要素です。
OSごとの長所短所を理解し、顧客の業務要件に最適な選定・説明ができるよう、次回以降でさらに深掘りしていきます。