オフィスや小規模サーバールームに機器を導入する際、単なる収納性だけでなく セキュリティや環境対策 が求められるケースがあります。
たとえば、「誰でも触れてしまう環境では困る」「埃や騒音を抑えたい」といった要望です。
こうしたニーズに応えるのが、サンワサプライのサーバーキャビネットラックシリーズ です。
サーバーキャビネットラックの特長
1. 施錠可能な前後扉
キャビネット型ラックの最大の特長は、鍵付き扉 によって機器を物理的に守れる点です。
オフィスの一角や受付裏に設置する場合でも、不特定多数がアクセスできないようセキュリティを確保できます。
2. 防塵設計
前後扉や側面パネルで囲まれているため、オープンラックと比べて埃が侵入しにくい構造になっています。
オフィスや工場など、空調が完璧でない環境では大きなメリットです。
3. 静音・防音タイプも選べる
サンワサプライのラインナップには、吸音材を使用し、内部のファンで空気を循環させる「防音ラック」も用意されています。
サーバーやNASをオフィスに直置きするとファンの音が気になることがありますが、防音ラックなら業務中も快適に作業できます。
4. メンテナンス性を考慮した構造
側面パネルが外せるタイプや、背面に大きな開口部を持つモデルもあり、機器増設やケーブル配線作業をスムーズに行えます。
ラインナップ例
42U フルキャビネットラック
- 大規模オフィスやサーバールーム向け
- 前後扉+側面パネルが施錠可能
- メッシュ扉で通気性を確保
- 19インチ規格のサーバー・スイッチ・UPSをまとめて収容
中規模病院の電子カルテサーバー室に設置。
医療データを扱うため物理的セキュリティを強化。
24U キャビネットラック
- 中小企業オフィスで定番のサイズ
- UPS+NAS+サーバー数台を収容可能
- キャスター付きでレイアウト変更にも対応
中小企業のバックオフィスで、会計システム用サーバーとNASを収容。
セキュリティ強化のため施錠扉付きモデルを採用。
12U 小型キャビネットラック
- デスク下や壁際に設置可能なコンパクトサイズ
- 小型NAS、UTM、スイッチなどの収納に最適
- 施錠扉付きで、営業所や支店にも導入しやすい
小規模クリニックで電子カルテ用NASを収容。
患者データを扱うため、物理的な鍵付きラックを採用。
防音ラック(静音キャビネット)
- 内部に吸音材を使用し、ファン音を軽減
- 送風ファンを搭載して冷却と静音を両立
- オフィスにサーバーを直置きしても業務に支障が出にくい
広告制作会社のオフィスに設置。
サーバーを社員の作業エリア近くに置く必要があったが、防音ラックで騒音問題を解消。
他社製との比較
HPEやAPCのキャビネットラックは、データセンターや大規模サーバールーム向けで、高耐荷重や冷却効率に優れています。
一方サンワサプライの製品は、「オフィスに設置できる現実的なキャビネットラック」 という位置付けです。
- 導入コストが安い(数万円台から)
- 入手が容易(通販・量販店で注文可能)
- 小型モデルが豊富(12U〜24Uまで選べる)
そのため「大げさなラックはいらないが、最低限のセキュリティは欲しい」という現場にぴったりです。
活用シーン
- 金融・医療機関
-
機微情報を扱うため、機器を物理的に保護。
- 小規模オフィス
-
来客や社員が出入りする環境で、NASやルーターを施錠して管理。
- 教育機関
-
教職員室やサーバー室で、授業データや成績管理システムを安全に保管。
- 工場環境
-
埃が多い現場で、防塵目的としてキャビネットラックを導入。
まとめ
サンワサプライのサーバーキャビネットラックシリーズは、
- 施錠扉でセキュリティを確保
- 防塵・防音設計で環境対策
- 12U〜42Uまで幅広いサイズ展開
といった特徴を持ち、オフィスや小規模サーバールームに最適なラインナップです。
特に「機器を物理的に守りたい」「騒音や埃の影響を抑えたい」というニーズがある場合には、コストと入手性のバランスが取れた実用的な選択肢となります。
次回は、「第4回:オープンラックシリーズ」 を解説し、シンプルでコストを抑えたラインナップについて紹介していきます。