第4回:サンワサプライのオープンラックシリーズ

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ラックといえば、キャビネット型の堅牢なモデルをイメージする方も多いかもしれません。

しかし、実際のオフィスや小規模ネットワーク環境では「そこまで厳重な構造は不要」「コストを抑えてシンプルに機器をまとめたい」というニーズも存在します。

こうした要望に応えるのが、サンワサプライのオープンラックシリーズ です。

オープンラックとは?

オープンラックは、その名の通り「扉や側板がない開放的なラック」です。

19インチマウントレールだけで構成され、キャビネット型のように機器を密閉せずに設置する仕組みとなっています。

主な特長

  • 前後左右が開放されており、通気性が高い
  • ケーブル配線や機器の取り外しがしやすい
  • 構造がシンプルな分、価格が安い
  • 軽量で組み立ても容易

その反面、防塵性やセキュリティ性はキャビネット型に劣るため、「限定されたエリア内での利用」や「一時的な検証環境」に適しています。

サンワサプライのオープンラックの特長

1. 豊富なサイズ展開

12U〜42Uまで用意されており、小規模拠点からサーバールームまで幅広く対応できます。

特に24U前後のモデルは「オフィスにぴったりのサイズ感」として人気です。

2. 組み立てのしやすさ

サンワサプライのオープンラックは、比較的少ない部品で構成されており、初めてラックを組み立てるユーザーでも導入しやすいのが特長です。

オフィスのIT担当者が自前でセットアップする場面にも適しています。

3. コストパフォーマンス

キャビネットラックに比べて数割安く、「とりあえず機器をまとめて設置したい」 というシーンに最適です。

ネットワーク機器の仮設や、短期プロジェクト用のインフラ構築にも向いています。

4. メンテナンス性

扉や側板がないため、機器増設やケーブル整理が圧倒的に楽です。

頻繁に機器を入れ替える検証環境やラボ用途では、むしろキャビネット型より便利な場合もあります。

ラインナップ例

42U オープンラック

  • 本格的なサーバー収容も可能なフルサイズ
  • キャビネット型より軽量で設置しやすい
  • ケーブルマネジメントバーを追加すれば整然とした配線が可能
導入例

大学の研究室で、サーバーやスイッチを収容しつつ頻繁に入れ替える環境に採用。

24U オープンラック

  • オフィスや小規模サーバールームの定番サイズ
  • UPS+NAS+スイッチを収容するのに最適
  • キャスター付きで移動も容易
導入例

中小企業のバックオフィスで利用。

ラックを施錠する必要がない環境で、低コストでサーバーを整理できた。

12U 小型オープンラック

  • デスク下に設置可能なコンパクトサイズ
  • 小型NASやUTM機器の収納に便利
  • 将来的にキャビネットラックへ移行する前段階としても利用可能
導入例

小規模店舗のバックヤードで、POSシステム用NASとルーターを設置。

他社製との比較

オープンラック自体は他社メーカーからも提供されていますが、サンワサプライの強みは以下の通りです。

  • 入手性が高い:通販や量販店ですぐ購入可能
  • ラインナップが細かい:12U、24U、42Uと幅広くカバー
  • 導入コストが安い:キャビネット型の半額程度で導入可能

そのため、ラボ環境や小規模オフィスでの「初めてのラック導入」に最適です。

活用シーン

検証環境/ラボ

頻繁に機器を入れ替えるため、オープンラックの作業性が活きる。

小規模オフィス

セキュリティ要件が低い場合、低コストで機器をまとめて管理できる。

一時的な設置

展示会や短期プロジェクトで機器を仮設する際に利用。

まとめ

サンワサプライのオープンラックシリーズは、

  • シンプル構造で安価
  • 通気性が良くメンテナンス性が高い
  • 12U〜42Uまで幅広いサイズ展開

といった特長を持ち、特に「セキュリティや防塵より、まずは機器を整理したい」という現場で活躍します。

次回は 「第5回:静音ラック・防音ラックシリーズ」 を解説し、オフィス環境に適した防音設計モデルについて詳しく紹介していきます。