サーバーラックをオフィスに直接設置するとき、多くの企業が頭を悩ませるのが 「騒音問題」 です。
サーバーやNAS、スイッチは稼働中に冷却ファンの音が発生し、静かなオフィスや会議室に置くと業務の妨げになることがあります。
こうした課題を解決するために開発されたのが、サンワサプライの静音ラック・防音ラックシリーズ です。
静音ラックの特長
1. 吸音材による騒音低減
サンワサプライの静音ラックは、内部に吸音材を配置し、サーバーやNASから発生するファン音を軽減します。
機器の性能に影響を与えず、デシベル単位で体感できる静音化 を実現できるのが特長です。
2. 冷却ファンで内部の温度を管理
防音対策を施すと、熱がこもるのではないかと心配される方も多いでしょう。
サンワサプライの静音ラックは、排気ファンを搭載 しており、防音と冷却の両立を図っています。
熱設計も考慮されているため、24時間稼働させるサーバーにも安心です。
3. 施錠可能なキャビネット構造
静音ラックはキャビネット型であり、施錠機能を備えているためセキュリティも確保できます。
単なる「静音ボックス」ではなく、サーバーラックとしての基本機能を保持 している点がポイントです。
防音ラックの強化ポイント
サンワサプライのラインナップには「防音ラック」というさらに高機能なモデルも存在します。
- 吸音パネルの多層構造 により、防音効果を強化
- 内部のファンを制御して、空気の流れを効率化
- オフィスの作業エリアに置いても違和感のないデザイン
これにより、騒音を大幅に低減しつつ、サーバーやNASを安全に収容できます。
ラインナップ例
■ 24U 静音キャビネットラック
- 中小オフィス向けの標準サイズ
- 吸音材+ファン搭載で防音と冷却を両立
- 前後扉は施錠可能
会計事務所で利用。
NASとサーバーをオフィスに直置きする必要があったが、静音ラック導入で作業中の騒音ストレスを解消。
12U 防音ラック(コンパクトモデル)
- デスク下や壁際に設置可能
- 小型NASやUTM向け
- 静音設計により、商談スペースでも利用可能
クリニックの受付バックヤードに導入。
電子カルテ用NASを防音ラックに収容し、受付環境を静かに保った。
42U 防音キャビネット
- サーバールームを確保できない中規模オフィス向け
- 大型サーバーやUPSも収容可能
- 高い防音性能でオフィスフロアに直接設置しても問題なし
広告制作会社のワークスペースで利用。
常時稼働するファイルサーバーの音を防ぎ、快適な作業環境を確保。
他社製との比較
APCやHPEといった大手メーカーでも防音ラックは存在しますが、サンワサプライの強みは以下の点にあります。
- 導入コストが低い:数十万円単位で導入でき、他社防音ラックより割安
- 入手が容易:通販・量販店で注文可能
- 小型モデルが豊富:12Uクラスの防音ラックは、特に中小企業で人気
「オフィスに設置できる現実的な防音ラック」というポジションは、サンワサプライならではの特色です。
活用シーン
- 士業事務所(会計・法律・コンサル)
静かな執務環境を確保しつつ、オンプレミスサーバーを運用。 - クリニック・病院
電子カルテサーバーを受付や診療エリア近くに設置しても騒音を抑制。 - クリエイティブ企業
映像・音楽制作など「静音性が重要な作業環境」でのサーバー設置に最適。
まとめ
サンワサプライの静音ラック・防音ラックシリーズは、
- 吸音材+ファンで防音と冷却を両立
- 施錠可能なキャビネット構造でセキュリティも確保
- 12U〜42Uまで幅広いサイズ展開
といった特徴を持ち、特に「オフィスにサーバーを直接置く必要がある」環境で強力な味方になります。
「音が気になるからクラウドに移行する」前に、まず防音ラックの導入で課題を解決する という選択肢も十分に検討する価値があります。
次回は、「第6回:壁掛けラックシリーズ」 を解説し、省スペースでネットワーク集約に便利なモデルを紹介していきます。